起承転結・PREP・SDS......作文の「型」を身につければ百戦危うからず
PREP・SDS・DESCといった定石的な文章の型が幾つか知られています。
わかり易い文章を手早く仕上げるには、こうした「定型」を利用するのが有効です。覚えて使いこなしてみましょう。
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仕事で書く文書というものは、たいてい締め切りが設定されており、限られた時間内に効率的に仕上げなければならないのが普通です。
こういう文書を作成する場合、闇雲にキーボードを叩き始めるのではなく、先に「枠組み」決めてしまうのがよいのです。それには次のような問題を考える必要があります。
- 何をテーマにするのか
- どんな材料でそのテーマを語るのか
- どのような順番でそれらの材料を読者に見せるのか
この記事で紹介したいのは、最後の問題を解決するのに有効な文章構成法です。
定番の「型」いろいろ
材料をどのような順番で見せるか。この点において先人たちが試行錯誤のすえに確立させた枠組みが幾つかあります。
ここでは、起承転結・序破急・PREP・SDS・DESCを取り上げます。いずれも長年にわたって多くの人に利用されてきた実績のあるもので、これらに沿って材料を並べていけば比較的簡単に文書を仕上げることができるのです。自分の目的に一番あっていそうなものを選んで実際に文章を書いてみましょう。
起承転結
基本的には詩や小説などに用いられる構成方法です。「結論が最後に来る」形式なので、業務として手早く読んでもらわなければならないビジネス文章には向かないとの指摘もあります。
- 起 仕事に必要な文書は短期間に効率的に仕上げなくてはなりません。
- 承 しかしなかなか書くべきことがまとまらないで苦労している人も多いでしょう。
- 転 先人たちが確立した「定石」的な枠組みを利用すれば比較的簡単に問題解決が図れます。たとえば報告書なら「PREP」を応用してみるのが良いでしょう。
- 結 ほら、こんな感じで書けますよね。
序破急
雅楽・能楽などに起源する構成方法。概要を最初に提示し、シンプルに結論に持っていくので、簡潔なビジネス文章やブログなどに向くとされます。
- 序 仕事に必要な文書は短期間に効率的に仕上げるには、先人たちが確立した「定石」的な枠組みをうまく利用するのが良いでしょう。
- 破 たとえば報告書なら「PREP」を応用してみるのが良いでしょう。
- 急 ほら、こんな感じで書けますよね。
PREP
4段式構成ですが、一番言いたいことを先ず最初にドンと提示する点が起承転結とは大きく違います。次に示すSDSと共に、ビジネス文章における二大メジャー構成法といえそうです。具体的には下のような構造をとります。
- Point(要点): もっとも訴えたいことを簡潔に提示
- Reason(理由): 上のポイントを提示する理由を説明
- Example(例): その具体的な例を提示
- Point(再び要点): ポイントを言葉を変えて復唱
例:
- 報告書などを手早く仕上げたいときは、PREPと呼ばれる構成方法を応用するのが有効です。
- この手法は、てっとり早く相手に結論を伝えるのに向くとされています。
- ほら、例えばこんな感じに書けますよね。
- 予備知識を充分持っている相手に対して要を得た文章を手早く提出したいなら、PREPが一番でしょう。
SDS
序破急とPREPのアイノコのような形式。序破急と同じく3段式構成をとります。ただし最初に示すのは「導入」ではなく「要約」とされ、これを最初と最後に繰り返す方式。ここはPREPと似ています。
- Summary(要約): 要約を簡潔に提示
- Detail(詳細): 上の要約の内容を詳しく提示
- Summary(再び要約): 要約を言葉を変えて復唱
例:
- 提案書などを手早く仕上げたいときは、SDSと呼ばれる構成方法を応用するのが有効です。
- 要約の間に詳細な説明を挟むのが特徴です。こうすることでストーリー性のある話が作れるため、予備知識を必ずしも持ち合わせない相手に興味を持ってもらいやすい構成であるとされています。
- SDSを応用すれば、わかりやすくて興味を持ってもらいやすい文章を楽に仕上げられるはずです。
DESC
PREPやSDSとは異なり、結論を先に言うのではなく、周辺材料を丁寧に提示していく様式。どちらかというと起承転結的です。いきなり言ったら「なにをお!?」となりそうな、ちょっと切り出しにくい主張を受け入れてもらうための説得文などに向いていそうです。
- Describe(描写): 問題を客観的に描写する
- Express(表現): 主観的な意見や問題点を述べる
- Suggest(提案): 上記の問題点に対する解決法を提案する
- Consequence(結果)またはChoose(選択): 提案を実行した場合に期待できる結果を提示する
例:
- 慣れないうちは説得力のある文章を書くというのは難しいものです。
- ビジネスの場で、自分のやってきたこと、これからやろうとすることを文章化することは非常に大切です。書いたものが少しも理解されないのでは、仕事ぶりを正当に評価してもらえず、次の仕事を任せてもらえないなどという事態にもつながります。
- だからといって、長時間かけて闇雲にキーボードを叩いてみたところで、良い文章は書けません。戦略的に解決を図りましょう。先人たちの知恵の結晶である、PREP法、SDS法、DESC法といった文章構築手法の応用を考えてみてください。
- これらの枠組みにそって自分の言いたいことを述べていけば、人にわかってもらいやすく説得力のある文章が比較的簡単に書けるはずです。
「型」を使い分ける
ここで列挙した「型」はいずれも有用性が高いものです。少しづつ構造が異なるので、目的に応じて使い分けることを考えましょう。これから書く文章は「報告」でしょうか、「提案」でしょうか、それとも「説得」でしょうか? 相手が誰かも重要です。上司など「話をじっくり吟味してくれることがわかっている」人が読者でしょうか? それとも、通りすがりのお客さんに向かって書く文章でしょうか? 文章の長さや掲載スペースの制限は? 厳しい文字数制限のもとで短く文章をまとめるなら4段式より3段式の型のほうが向いているでしょう。
また、いろいろな材料を盛り込まざるをえない複雑な内容の文章を書かなければならない場合は、単純にどれか一つの型を使うというよりは、型を入れ子にする必要がある場合もあります。例えばPREPの最初のPの部分をさらにSDSで構成するといった複合構成が有効な場合もあるでしょう。
いずれにせよ、「定番の型」を出発点として文章を展開していくことで文章作成の能率が大幅にアップすることは間違いありません。ぜひこれらの型を覚えておきましょう。
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