3項目にまとめよ

欲張ってネタを盛り込みすぎた文章を見せられても読者は結局何も覚えてくれません。ネタを絞りこみ纏める配慮が大切です。

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仕事を得るために企画提案書や予算申請書の類を書かなければならないことがあります。その審議の担当者には書いたものを本気できちんと吟味してもらわなくてはなりません。

一方、仕事の内容を論文にまとめたり広告やポスターなどに仕立てなければならない機会もありましょう。プライベートでも、ブログなどを公開して広く読んでもらいたいと願っている人もいるでしょう。誰も読者になる義務や責任を負っているわけではないので、一瞥した段階で「おお!」と思ってもらえなければ、かなりの確率でスルーされてしまうはずです。

こうした文書を効果的に作り出すにはどうすればいいのか? まず考えたいのは、枝葉の部分は措いておいて「幹」にあたるものを確実に読者に印象づけることです。

情報を絞り込め

根が真面目でいつも仕事の真剣に励んでいるが作文には慣れていないという人にありがちなのが、あれもこれもと伝えようと欲張ってネタを山ほど文章に盛り込もうとして自爆するパターンです。彼らに文章を絞り込めというと、多くの場合次のような反応が返ってきます。

「だって、どれもみんな大事なことなんです! 消すなんてとんでもありません!」

しかしです。人間が一度に記憶にとどめておける情報の量には限りがあります。その限界を超えた情報を与えても読者は受け取れません。それどころかパニックに陥って、本来なら覚えておいてもらえるはずの記憶まで飛ばされてしまったりするのです。頑張って作文したあげく、読者に何一つ覚えてもらえなかったのでは本末転倒なのです。

ポイントは「三つ」にせよ

『論理が伝わる世界標準の「書く技術」』(倉島保美著)は「情報を10個羅列するよりは、大事な情報3個に絞る方が効果的」と主張します。さらに、「どうしても10個の情報を出したいなら、3つに分類して」見せるのがいいといいます。

たとえば企画書の序言では、次のような構造で主張を組み立てます。

「現状には問題が3つあります。第1に...、第2に...、最後に...です。」

結論部は次のような感じ。

「問題解決のためには、次の3つを実現する必要があります。第1に...、第2に...、最後に...です。」

これを念頭に入れておけば、シンプルでかつ印象に残る文章が書けます。

なぜ、2つや4つではなく3つなのか? 2つでは手を抜いたように見えたり物足りなく感じられ、4つだと多すぎるというのが広く信じられています。3はマジックナンバーなどとも云われています。

プレゼン手法や説得術のコツとしても

3つに絞れというのは、作文術だけではなく、プレゼン手法や説得術のコツとしても言われることなのですね。アベノミクスが「3本の矢」を打ち出したのも、伊達ではないのです。

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