語順の法則

「語順」に気を遣い、誤解を招きにくい文を組み立てることも大切です。

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英語と異なり、日本語では文法上の語順の制約があまりありません。大ヒットしたコミックOnePieceに出てくる有名なせりふ「海賊王に俺はなる!」は、「俺は海賊王になる!」と言い換えても意味は変わらず、どちらも「正しい文」です。

しかし、文法上正しいからといって、その言い回しが妥当といえるとは限りません。

実のところ、語順に無頓着に文を連ねているために極めて誤解を招きやすい状態に陥っている文章は珍しくありません。『日本語の作文技術』(本田勝一著)には、次のような例が掲げられています。

  • 「白い横線の引かれた厚手の紙」

ここで記述の対象としているのは、「横線が引かれ」ていて「厚手」で「白い」紙なのですが、上の文では、白いのは紙ではなくて横線であるように読めてしまいます。本田勝一は様々な文例を集め、誤解を極力なくすにはどのような語順を採用すべきか事細かく検討しています。結論として、次の4原則を守るべきとしています。

  • 節を先に、句を後に
  • 長い修飾語ほど先に、短いほどあとに
  • 大状況・重要情報ほど先に
  • 親和度(なじみ)の強弱による配置転換

特に重要なのが上の二つの原則。最初の例をそれらに従って書き直すと次のようになります。

  • 「横線の引かれた厚手の白い紙」

これなら惑う余地は確かに少なそうです。シンプルかつ有用な原則を学ぶことができました。よい文章を仕上げるためには、語順にも十分に注意を払わなければならないことが実感できたと思います。ぜひこれらを頭の片隅において執筆に臨むべきでしょう。

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