テンの打ち方(3)不用意なテンは冤罪さえ招きかねない

読点は正しく使いましょう。不用意な読点は重大な誤解を生みかねません。そのような実例を紹介します。

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見ていただきたいのは、「大阪の女児死亡火災、無罪確定へ 再審で検察が主張撤回」(asahi.com 2016年3月16日版)から抜粋した次の文です。

  • 青木さんと朴さんは1995年7月に保険金目的で自宅に放火し、長女(当時11)を殺害したとして無期懲役が確定。

当事者の二人は、娘を保険金目的で焼死させたとして罪に問われ、有罪判決を受けて服役中でした。ところが、弁護側の実験により実は不測の事故であったと認定され、判決は取り消され二人は即日釈放となったのでした。放火した事実は認められないというのが、新しい結論です。

ところがこの例文はどうでしょうか。これでは、放火したことが依然として事実とされているかのように読めてしまいます。ここはせめて次のようにすべきです。

  • 青木さんと朴さんは、1995年7月に保険金目的で自宅に放火し長女(当時11)を殺害したとして無期懲役が確定。

テンの位置一つでこれだけ文意が変わってしまう恐ろしさを見てください。テンの打ち方に注意を払うことがいかに大切かよくわかると思います(厳密にいうと上記文例では主語と述語の対応関係がおかしいので、さらに修正をかけるべきですが、ひとまずそれは措いておきます)。

読点(、)を不用意に使ってはならないということを当ブログでは過去に何度か書きました。ルールに従って正しく打たないと、読点は重大な誤解を生みだしかねないのです。

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