原因と結果を書き分けよう

接続助詞を適切に使い、因果関係がはっきり読み取れる文を書きましょう。これは文章の趣旨を明確化するために重要なことです。

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ひとつ前に書いた『原因と結果を意識しながら書く』の続きです。 前記事では、文中で提示する事項の集まりを「原因」と「結果」の連鎖と捉えて整理し、因果関係が明確にわかるように文章を書くことが大事だということを述べたつもりです。

本記事では、どのように文章を書けばよいのかを文例に沿って具体的に考えてみたいと思います。

曖昧な書き方の例

下に挙げる例文は、いずれもよく見かける曖昧な書き方の例です。どこがどう曖昧なのかお分かりでしょうか?

  • 田舎では公共交通機関の整備が充分でなく、どこへ行くにも自家用車に依存せざるを得ない。
  • 企業が社員採用の抑制を続け、正社員になれないまま歳を重ねることを余儀なくされた中高年の人々が増えている。
  • 企業が社員採用の抑制を続ける中、正社員になれないまま歳を重ねることを余儀なくされた中高年の人々が増えている。

これらの文例では、それぞれの文の最初の節が「原因」に対応し、続く節が「結果」に対応しています。ところが、必ずしも「原因」を表すとは限らない(他の意味で使われる可能性がある)表現を用いています

そのため、いろいろな解釈ができるということになってしまいます。「無関係なものをただ羅列している」ようにすら解釈可能なのです。筆者が考えたのとは異なる解釈をする余地が残っているということは、それだけ文意が曖昧ということになります。

意味明瞭な接続語を使って書き換える

文章の意味をわかりやすくするには、たとえば以下のように書き換えればよいでしょう。前掲の例文との違いがお解りでしょうか?

  • 企業が社員採用の抑制を続けたため、正社員になれないまま歳を重ねることを余儀なくされた中高年の人々が増えている。
  • 田舎では公共交通機関の整備が充分でないので、どこへ行くにも自家用車に依存せざるを得ない。

なお、ここでは接続助詞で二つの節を一つの文にまとめる形を示しましたが、これは二つの事柄が非常に密接に関連しあっていて、一方について述べることなく他方を述べることがあり得ないときに限って使うべきです。 上で挙げた文例は実のところ次のように書いた方が良いです。文章全体が読みやすくなります。

  • 田舎では公共交通機関の整備が充分ではない。そのため、どこへ行くにも自家用車に依存せざるを得ない。

また、次のように三つ以上の節を一つの文につなぐのは止めたほうが良いです。文章を書きなれていない人にとかくありがちな書き方です。ぜひ考え直してみてください。

  • 田舎では公共交通機関の整備が充分でないので、どこへ行くにも自家用車に依存せざるを得ないため、免許を持たない老人や子供には不便である。

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