全員に賛成してもらえると思うな

反対意見もでるようでなければわざわざ自分の文章を世に問う意味は無い。樋口裕一氏はこう言っています。

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『大人のための文章道場』(樋口裕一著)には、「自分らしい文章を書くためには」として、次の5項目が挙げられています。

  • 道徳的にしない
  • 一般的な考えを盲信しない
  • 全員に同意されることを目指さない
  • 全部を書かずに、一つに絞って書く
  • 自分の立場をはっきりさせる

特に、「全員に同意されることを目指さない」には「えー?」と思う人もいるのではないでしょうか。

しかし、樋口氏は言い切ります。自分の意見に対してインターネット上で猛烈な反対意見に出くわすことがあるが、自分はそれを大変名誉なことと考えている、と。けなす人がいるということは自分のその意見を世に問う価値が有るということだ、と。

私もブログを自分で書いてみて実感しました。当たり障りない文章をいくらダラダラ書いてみたところで読者からは何の反応も帰ってきません。「ふーん、そうだね」と頷いて他へ行き、もうその文章に戻ってくることはないでしょう。結局新しい視点や知識を手に入れられる機会も殆ど得られません。これでは時間の浪費です。

商品の宣伝とか就職活動の文章の場合はどうでしょう。これは賛同してもらえなければどうしようもないような気がします。しかし、同じものを同じ角度から見ても「真っ黒だ」という人と「真っ白だ」という人の両方が出てくるのが世の中です。その両方に同意してもらうことは不可能というものです。自分が真っ黒派なら、やはり真っ黒派としての主張を全うするしかありません。採用担当者が「真っ白派」だったとして、主張を曲げて「灰色にも見えますねえ」などとやって「賛同」してもらうことが、本当に幸せな就職に繋がるでしょうか?

反対や批判を恐れて常識そのものという事柄ばかり書いてみても、意義ある文章を紡ぎだすことはできないのです。といって、常識から離れすぎた内容ばかりでも読者は理解が追いつかずついてきてくれません。常識から「程よくずれて」いる文章を目指しましょう。言い方を替えると、常識を理解した上で常識に反対してみせることが大切なのです。

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