「だ・である」か「です・ます」か
執筆を始める前に、常体・敬体のどちらを使うか決めておく必要があります。
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常体とは「だ・である」のような文末で終わる文、敬体とは「です・ます」などのような文末で終わる文のことを指します。
『大人のための文章道場』(樋口裕一著)や『仕事文の書き方』(高橋昭男著)では、敬体と常体を次のように使い分けるべしとしています。
「です・ます」が向いているのは:
- 特定の人に呼びかけるとき(手紙・客先や上司に提出する報告書・企画提案書など)
- 文章をゆっくり読んでもらいたいとき
- しみじみとした情感を出したいとき
- へりくだった感じを出したいとき
- 謙虚で丁寧な印象を与えたいとき
「だ・である」が向いているのは:
- 不特定多数の読者に向けた公的な文とするとき(エッセイ・論文・仕様書など)
- 速めに読んでもらいたいとき
一つの文章の中では、常体で行くと決めたらすべての文を常体で、敬体で行くと決めたらすべての文を敬体とし、両方を混ぜないのが原則です。プロは意図的に両者を混ぜて書くことがありますが、それは周到な計算・手練手管が伴っていればこそ有効なのです。これを不用意にやると、ふだん文章をほとんど書かない人が何とか作文してみましたといった感じになり、如何にも「こなれていない」印象を読者に与えてしまうことでしょう。
ただし、敬体でいく場合も「です・ます」を使うのは文末だけで充分です。
- (誤)今日はいい天気でしたので、近くの公園まで散歩に行ってきました。
- (正)今日はいい天気だったので、近くの公園まで散歩に行ってきました。
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