引用のルール
引用は丸写し(コピペ)とは全く違います。何が「引用」なのかはっきり理解しておきましょう。
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STAP細胞の騒動をご記憶でしょうか。当事者となった女性研究者は、いろいろあり得ないことをやっていたわけなのですが、その中に博士論文の中に他所から大量の文章を剽窃していたというのがありました。仮にもプロの研究者としてやっていこうというのにあり得ないことなのですが、驚くべきことに彼女は「コピペ」がいけないことだとは思いもしなかったといいます。これが本当だとすると、彼女は大学院にまで行っていながらこの基本的過ぎるルールを学ぶ機会を一度も得なかったことになります。問題の根は深いようです。
ここまで極端でなくても、引用・丸写し・転載・剽窃・盗作などの区別が付いていない人は少なくないようです。書いた文章を外部に公開する機会をもつなら、この辺の違いはきちんと理解しておかなくてはなりません。論文発表のたぐいは言うまでもなく、ブログやfacebookにアップされる文章も、第三者に見られる可能性がある限り例外ではありません。金儲けと関係ないだとか、個人的に趣味でやっているのだからという言い訳は通用しないのです。
引用とそうでないもの
引用の要件は法律で定められています。
例えばウィキペディアでは「引用のガイドライン」として「正しい引用」はどうあるべきかがわかりやすく説明されています。ここには引用の要件として次の8条件が提示されています。これは日本の著作権法での規定をベースとしたものです。
- 被引用文が既に公表されていること
- 公正な慣行に合致すること
- 引用の目的上、正当な範囲内の引用であること
- 記事本文と被引用文の主従関係が明確であること
- 記事本文と被引用文を明瞭に区別して認識できること
- 引用を行う必然性があること
- 被引用文の出所を明示していること
- 被引用文を改変しないこと
自分の文章の中に他者の書いた文章を入れこむ時には、上記条件を一つ残らず満たす形で「引用」としなくてはなりません。
ひとつでも条件が満たされていなければそれは引用とは認められず、剽窃とか転載と判断されてしまうかもしれません。ウィキペディアでもこの辺がきちんと理解できないまま編集に及んでしまう人は後を絶たず、削除依頼の議論が毎日のように立ち上がっているのが現状です。
この8項目を見ると、法律の規定以前に、信義の問題として当然だろうと思えるものがほとんどなのですけどね。
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