ネットに文書を発信することの「怖さ」

メールやSNSは便利で有用なものですが、使い方を間違えればあなたの社会的立場や人間関係を危うくしかねない危険性も孕んでいます。注意深く利用することが大切です。

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ネットに発信する文書(ネット文書)の怖さについて、前回の記事で私はこう書きました。

  • やり直しは効かない
  • 秘密は守られず世界中に拡散する
  • 一度拡散した文書は半永久的に存在し続ける

こういう「怖さ」を認識せぬまま、ナイショ話をメールしたり、人に知られてはまずいプライベートの話を不用意にSNSにアップしたりする人が後を絶たないようです。

私も身に覚えがあることですが、なまじ相手の顔が見えないネットが相手だと、つい気が大きくなって、乱暴なことや考え無しなことを書いてしまいがちです。

かつて知人の女性がブログに「今日は生理だ」みたいなことを堂々書いているのをみて仰け反ったことがあります。まあ、生理など当たり前の現象であって隠すの がおかしいという確たるポリシーに基づいての発言であれば、それはそれでその人の自由ともいえます。しかし、たとえば職場で同僚の男性に向かってこういう ことをお茶飲み話で話したりは普通しないのではないでしょうか。

ネット文書を書いて発信するということは、不特定多数の人にあっという間にその発言内容が広まってしまうという点で、大通りの真ん中で大型拡声器を用いて演説しているのと同じです。SNSはもちろん、知人への個人メールでさえそれに類するものと考えるべきなのです。

やり直しは効かない

誰かに知られて困る情報はいかなる形でもネットに出してはいけません。

ネットに一度出してしまった文書はその瞬間に発信者のコントロールを離れて独り歩きします。メールにしろSNSにしろブログにしろ、読んだ人がコピペして他の人に転送することを防ぐ手段はありません。

確かにブログやSNSの記事は削除できます。しかし、オリジナルを削除したところで、読んだ人のPCに保存されているキャッシュデータを消去することは出来ません。その中の誰かがそれをコピペしてどこかに送信されたりアップロードしたりすることを封じる手立てはありません。

世の中には、誰かのネット文書に「突っ込み可能な」部分を見つけると大喜びで遊び半分でそれを「拡散」する人々が存在します。世の中には「晒しあげ」などというのを喜んでやる不思議な人々がおり、あなたの「突っ込み可能な」文章があちこちにコピーされて拡散していくことになります。そういう人に目をつけられたら、かなり面倒なことになる危険性があります。

ここでいうツッコミ可能な部分とは、例えば次のような内容に該当するものです。

  • 犯罪の告白 ー 飲酒運転や万引きなど。
  • ケンカ・ゴネ ー 掲示板サイトなどで他の参加者を声高に批判する。サイトの運営者に対して上から目線でダメ出ししたり、ルールやシステムの明らかな理解不足に基づく無理難題な要求をつきつける。
  • 特定個人や団体の批判 
  • 個人情報 

特に、上記3つと個人情報が結びつくとかなり厄介なことになります。検索サイトという便利なものがあるため、本来はバラバラに存在する文章を結びつけることが簡単にできてしまうことを忘れてはいけません。

当ブログの趣旨とは少しずれますが、写真のアップにも一言。背景の看板などに住所などが書いていればそれが個人情報特定の材料にされる危険があります。文章と違い、それらの要素は自分自身の手でつけくわえたものでないため、意識しておかないととんでもない情報を敵に与えかねません。一度アップロードしたら取り消せないのは写真や音声も同じです。

秘密は守られず世界中に拡散する

ある人の悪口を特定の友人にメールで愚痴ったつもりが、間違ってメーリングリストに送信してしまったなどということは結構頻繁にあるものです。これは取り返しがつきません。送ったメールを削除することはできないし、読んだ人の記憶を削除することもできません。

送ったのが間違いなく一人の個人だったとしても安心するべきではありません。その人があなたのメールを別の人に転送しないという保証はどこにもないのです。

あなたが「信頼できる友人だけにこっそりと」のつもりで、Aさんに送ったメールを、Aさんが「信頼できる友人だけにこっそりと」のつもりでBさんに送る。Bさんが「信頼できる友人だけにこっそりと」のつもりで、Cさんに......。こういうことは思った以上に普通に起こりうるのです。Aさんに限って......と思うのは楽観的過ぎるというものです。

誰かに知られてはまずい情報は、どんなことがあっても絶対にメールに含めてはいけません。

あっというまに人間関係を壊してしまいかねない危険性がメールにはあることを忘れないようにしましょう。

まとめ

残念ながら、ネットの便利さは、悪意ある人々にも平等に享受されるものなのです。あなたの友人・知人100人のうち99人が信用できる人であったとしても、残り一人が出来心を起こせば災いがあなたのもとに降りかかってきます。

メールを送るとき、SNSに文書をアップするとき、送信ボタンを押す前に最低でも深呼吸を、できれば一晩おいてもう一度読みなおしてから送信するぐらいの用心深さが必要です。

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