できるだけ「サ変動詞」を使うな

「サ変動詞」とは、「増大する」とか「停止する」など、名詞に「する」をつけることで動詞化した単語のこと。多用すると文章が堅苦しく読みにくくなってしまいます。

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「サ変動詞」とは何か

サ変動詞とは、「増大する」とか「停止する」など、名詞に「する」をつけることで動詞化した単語のことです。

典型的には何らかの動きを表現する名詞がサ変動詞化されます。「増大」も「停止」は典型的に「動き」の一形態といえるでしょう。他に、「決定」・「補足」・「捕捉」・「変化」・「消失」・「動揺」・「削減」・「廃止」・「開放」・「閉鎖」・「告知」・「隠蔽」・「言及」・「敷衍」などなど無数に挙げることが出来ます。


こうしたサ変動詞はお硬い文章になると多用される傾向があります。『「頭がいい人」と言われる文章の書き方』(小泉十三著)では、このサ変動詞のことを「熟語動詞」とよび、生硬な印象を与えて文章を読みにくくすると批判しています。

「サ変動詞」を「動詞」として使うのをやめてみる

小泉氏はこういうサ変動詞(熟語動詞)を「和語の動詞」に置き換えてみよといいます。たとえば以下のようになるでしょう。

  • 「停止する」→「止める」
  • 「増加する」→「増える」
  • 「決定する」→「決める」

「サ変動詞」を名詞として使うのもやめてみる

「サ変動詞」として使われる名詞にはそもそも本質的に小難しい概念を意味するものが多いのです。なので、動詞化せずに名詞として使った場合でもやはり文章がとっつきにくいものになりがちです。こうした名詞はもっと簡単な言葉で置き換えられないか考えてみましょう。

言い換えの例を挙げてみましょう。

  • 「援助を行なう」→「援助する」→「力を貸す」
  • 「調査を続行する」→「調査を続ける」→「調べ続ける」

外来語をサ変動詞化する例

上で見てきたのは漢字二字の名詞を動詞化した例ですが、「~する」のもうひとつのよくあるパターンが、外国語(特に英語)に由来するカタカナ語のサ変動詞です(ストップする。リサーチする。オープンする等など)。

小泉氏はこのカタカナ語も批判しています。「こけおどしに使うな」と。『「頭がいい人」~』には、次のような文章が例示されています。

世界経済の流れをキャッチアップするためには、企業のあり方をソフィスティケートされたものにすることだ。商品とストラテジーのシナジー効果を出すことで、勝敗は決する。


外来語を安易に動詞化して使う背景には、言葉の意味を厳密に考えるよりは「雰囲気」で押し切ってしまおうという発想があるような気がします。この問題についてはまた改めて記事にしてみたいと思います。

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