「が」を二回以上使わない

安易な作文で悪文を作ってしまいがちな単語の一つに、助詞の「が」があります。ちょっと気を付けるだけで文章の質を大いに向上させられる可能性があります。

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2種類の「が」

まずは、いくつか例文を見てください。いずれも「が」を含んでいます。

  • 今日は台風が来ていた、いつも通り出勤した。
  • 明日の仕事についてです、山田さんの指示に従って動いてください。
  • オリジナルだ。
  • まだ小学生だったころ、携帯電話はまだ普及していなかった。
  • ゾウは鼻長い。

日本語の助詞には二種類の「が」が存在します。

  • 「接続助詞」の「が」。文と文をつないで一つの文(重文)にします。上で挙げた例のうち最初の二つの「が」が該当します。これについては以前の記事で言及しています。
  • 「格助詞」の「が」。「主語」を指し示す助詞です。しばしば「は」との使い分け方が話題となります。

いずれにせよ「が」には複数の用法・意味があるということをまず確認しておきましょう。

まさにこの理由で、考えなしに作文すると、文中にたくさんの「が」が連続し、文章の構造や意味があいまいになりがちです。この状況を避けるようにと多くの識者が戒めています。少なくとも実用文においては、誰がどう見ても一通りに解釈しかできない文章に仕上げることが非常に大切です。そのためには「いろいろな意味に解釈できる」言葉は避けたほうが良いのです。

『「頭がいい人」と言われる文章の書き方』(小泉十三著)では、一つの文の中で2回以上「が」を使うなとしています。

「が」を減らすには

「が」をやめて、誤解の余地の少ない言葉に置き換えることにより、文章が様々に解釈されてしまう余地を減らすことができます。

  • 今日は台風が来ていたにもかかわらず、いつも通り出勤した。
  • 明日の仕事に関しては、山田さんの指示に従って動いてください。→明日は山田さんの指示に従って仕事を進めてください。

「の」に置き換える

『「頭がいい人」と言われる文章の書き方』(小泉十三著)では、「の」に置き換える手法を紹介しています。

  • 私が好きな食べ物→私の好きな食べ物

ただ、「の」は「の」で連続してしまいがちな単語なので、他の言い方がないかも検討しましょう。

文を二つに分割する

  • 今日は台風が来ていた。しかし、いつも通り出勤した。

とくに、接続助詞の「が」は、本来何の問題なく二つの文として書けるものを『なんとなくつないだだけ』であることが少なくありません。こういう「が」は積極的に切ったほうがいいです。

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